海外ラオスにある小ロットを得意とする縫製工場

CREATIVE BUSINESS CORP., (LAO) LTD.





QC全員でチェック項目を確認しています。
2017.03.20
 CBC Laoは、小ロット・多品種の縫製工場ということで、複数の商品が同時に最後の品質チェックを受けています。そして、商品によって、チェック項目が変わってきます。例えば、シャツの柄合わせは、品番によって、前身頃と後身頃だけのときも、襟や袖口まで柄合わせが必要なときもあります。また、個性的なデザインの衣類のときには、チェック項目が増えたりもします。生地によっても、例えば、同じようなシャンブレーの生地でも、なかなかうまく表現できませんでがところどころほんの少し白い糸が表に出ていても問題がない場合もあれば(これはこれでシャンブレーらしい味があると好まれる)、あくまでもシャンブレー独特の青い色が綺麗に入っている生地の状態が望まれる場合もあります。

 また、商品の品番と混率も一緒にチェックします。普段は、中の洗濯表示のあるラベルを気にしないという方も多いかもしれませんが、商品の取り扱い方が書いてあるので、間違ってはいけないポイントです。同じ品番であっても、綿や麻などの混率が違う場合もあるので、しっかり確認しています。

 新しい商品が品質チェック部門に来るときには、品質チェック部門の職員が集まって、どこをチェックするかを全員で確認し、しっかりとした縫製基準の商品のものを日本に輸出できるようしています。

 写真は、QCの責任者から、QCのメンバーに、チェック項目を確認しているところです。この写真の場合では、QCに来るシャツのチェック項目を確認しています。「柄はあっているか」「ネームの品番・混率は正しいか」「衿の部分は綺麗に仕上がっているか(左右のバランスなど)」などを、全員で再確認です。





 他のラオス国内の縫製工場にとっては「ちょっとぐらい」ということが、日本向けの商品は「大きな問題」であったりすることも多いため、具体的にどんな場合には補修が必要になるのか、あるいはB品になるのかを確認することも大切です。長年働いている職員はよく分かっていますが、新しく来た職員にも知ってもらい、全員が同じ基準で品質チェックできるようにしています。例えば、ラオス国内の欧米の向けの工場の中には、衣類の内側のステッチの目やロックミシンの目の状態にあまり気にしない縫製工場もあります。しかし、日本向けの商品では、裏側のステッチも表と同様に糸調子を合わせる必要がありますし、ロック始末が一部途切れている部分があれば、その部分を補修する必要があります。

 CBC Laoでは、できるだけ綺麗な縫製を心がけるだけでなく、B品が日本に向け出荷されることのないよう常に細心の注意を払うようにsています!!
2017.03.20 09:55 | 固定リンク | 縫製のこと
ベトナム人の洗い屋さんは大忙しです。
2017.03.13
 このブログでも何度か紹介しているベトナム人経営の洗い屋さん、前回の訪問時は、洗い加工をする衣類が工場内に1枚もなく、「仕事ないんだ〜」みたいな感じでした。しかし、先週、サンプルの洗い加工をベトナム人の職人さんに説明したいために、訪問し時は、とてもとても忙しいそうでした。

 そんな状況にあっても、洗い加工が必要なサンプルがたくさんあったので「これは、バイオで加工で。これは、バイオ加工にスプレー加工で。これは、ワンウォッシュで。これは、この生地と同じくらいの濃さのブリーチで。」みたいな感じで、たくさんの洗い加工をお願いしてきました。

※(参考)洗い加工の現場、洗い屋さんってどんなところ?
http://cbclao.readymade.jp/cafe/html/art/00034.html
 ⇒このベトナム人経営の洗い屋さんの工場の中の様子を紹介しています。

 さて、話はもどり、訪問時には、写真のように洗い加工を待っている洋服がたくさんありました。


 3つの縫製工場の職員も、それぞれの縫製工場の商品が縫いあがるのを、首を長くして待ってました。それぞれの縫製工場の職員が、ベトナム人のマネジャーに「早く!!」と言っているようでした。

 もちろん何台もある業務用洗濯機も、全台フル稼働中でした。稼働しているかどうか写真じゃわかりませんが、洗濯機の写真です。

 

 遠心分離型の脱水機からのたくさんの洗い上がってきていました。


 
 また、今回、洗い屋さんに伺ったところ、ちょうどスプレー加工をしているところでした。ということで、スプレー加工の方法を紹介します。スプレー加工と言っても、実際に洋服が売られるときには、「こすり加工」として売られる場合もあるようです。スプレーで色をつけることで、こすれたような感じを出していきますからね。

 まずは、下の写真のように、パンツの形をした風船(?)に、空気が入っていない状態で、パンツをセッティングします。



 次に、このパンツの形をした風船(?)に空気をいれ、パンツを固定してスプレーをします。



 こんな風にスプレーをしていくんですね☆ 簡単そうに見えますが、センスが問われます。薄すぎると加工をする意味がないですし、また、濃すぎるといかにヴィンテージ感がゼロになってかっこ悪いです。できるだけ薄く、でも、ヴィンテージ感があるみたいな感じが理想です。
 
2017.03.13 09:55 | 固定リンク | 縫製のこと
「糸」と一言でいうには、種類が多すぎます!!
2017.03.06
 CBC Laoは小ロット・多品種を得意とする縫製工場で、その悩みの一つに、糸の管理があります。

 各シーズンごとにどんどん糸の種類が増えていく。。。衣類を取り巻く業界の人たちの目はとても良いですし、デザイナーさんは小さな色の違いにこだわります(当然ですね!!)。 という事情もあり、たくさんの色の在庫があります。といっても、次のような写真の糸のカタログの糸がほとんど揃っているかというと、まだままだです。色の色の種類って本当にたくさんあります。







  今日は、糸について紹介します。糸にには色以外にもいくつか分類方法があるので、順番に紹介していきます。

1.長繊維か、単線維による分類
 糸は繊維の長さから、長繊維(フィラメント)糸と短繊維(スパン)糸に分けられます。長繊維(フィラメント)糸の代表は絹やナイロンの糸、短繊維(スパン)糸の代表は綿や羊毛、麻の糸になります。短繊維(スパン糸)は、繊維が短いのでこれを合わせていき糸にしていきます。この過程のことは紡績と呼ばれます。
 ポリエステルの糸は、元々が石油からできているので、長くカットすれば長繊維(フィラメント)糸になります。逆に、短くカットしていき、それを合わせて糸にすれば短繊維(スパン)糸ということになります。ポリエステルの糸には、長繊維(フィラメント)糸と、短繊維(スパン)糸があるようです。
 また、ポリエステルの長繊維(フィラメント)糸と綿の短繊維(スパン)糸を混ぜた混合素材の糸もあるようです。

2.天然素材か、化学繊維かによる分類
 天然素材の糸には、絹や綿、麻、羊毛などがあります。化学繊維の糸には、ポリエステルやレーヨン、ナイロンなどがあります。

3.糸の太さに分類
☆長繊維(フィラメント糸)
 デニール(d)やデシテックス(dtex)を使うことが多いようです。デニールは、9,000メートルの糸の重さが何グラムあるかで表します。9,000メートルで2グラムのいとは、2デニール(d)の糸となります。デシテックスは、10,000メートルあたりの重さが何グラムあるかで表します。10,000メートルで2グラムの糸は、2デシテックス(dtex)の糸となります。
 数が大きくなるほど、糸の太さが太くなります。

☆短繊維(スパン糸)
 メートル番手と英国式番手を使うことが多いようです。メートル番手は、1グラムあたり何メートルの糸ができるかで決まる単位です。1グラムで10メートル取れる糸は10番手、1グラムで20メートル取れる糸は20番手となっていきます。また、英国式番手とは、糸の重さ1ポンド(453.6グラム)で840ヤード(768.1メートル)とれる糸を1番手、1680ヤード取れる糸を2番手としていきます。1グラムで、1.69メートルあれば、1番手というに考えることもできます。
 数が大きくなるほど、糸の太さが細くなっていきます。

 どの色の太さの分類法も糸の重さを基準にしているので、素材によって同じ数字や番手であっても、長さが変わってきます。そして、上のデニールやら、メートル番手やらに、さらに計算を加えるので、各国で、同じ数字であっても糸の太さが変わってきます。日本とタイの糸では、数字が同じでも太さが違います。

 製糸業を営む会社は日本もたくさんありますが、CBC LaoはタイのGolden Thred社の糸を使っています。その中でも、CBC Laoで主に使っているのポリエステルでできた短繊維(スパン)糸を使っています。下の写真でいうと、一番右の赤い糸と同じ種類の糸がたくさんあります。糸の太さには、細い方から180番、120番、30/3番、30/2番、20/3番などがあります。
 ※タイの糸の太さの計算方法は、今度調べてまた、紹介します。


 

 ところで、私は、この業界で働くまで、実は、綿100%デニムには、当然のように綿の糸が使われていると思っていたのですが、デニムび綿の糸が使われることはほとんどありません。持っているデニムのパンツをみていただきたいのですが、洗ってもデニムの色が糸に移ってないですよね。それはポリエステルの色でできているからなんですね☆ ポリエステルの糸は、色移りはしません。
2017.03.06 09:55 | 固定リンク | 縫製のこと
海外縫製工場のアイロングッズ紹介します。
2017.02.13
 CBC Laoはいつも、日本のアパレル会社さん、そしてその先にいる消費者の方が、買って喜んでいただけるような丁寧で綺麗な縫製を心がけています。丁寧で綺麗な縫製というと、ミシンのことがすぐに思い浮かびますが、綺麗な縫製のためには、縫製前の正確で綺麗なアイロンはかかせません。

 例えば、衣類を縫製するときに、かならず縫代があります。そして、この縫代は1cmちょうどのときもあれば、1.2cmのときもあり、ミリ単位で正確に縫代の部分を縫製しなければなりません。そのため、縫製前にアイロンで、正確に丁寧に縫代にそってアイロンをかける必要があります。

 今日は、正確で綺麗なアイロンがけをするための縫製工場のとっておきグッズ(?)を1つを紹介します。下に紹介するグッズを使うことで、たくさんのものを同じ形に縫製することができます。

 

上の写真を見ると、鉄の板があるのが分かります。縫製工場では、上のような板を使ってアイロンをかけています。縫代がたとえば1.2cmだとすると、ポケットと大きさと同じ大きさの鉄の板を作って中心におけば、縫代が1.2cmのところがすぐに分かり、なおかつ正確にアイロンをかけることができます。

上の写真は、小さなポケット用ですが、その他のいろいろあります。









下の写真は、エプロンの肩ひもの部分になる生地にアイロンをかけているところです。金属の板を中心においてから、上の部分と下の部分にアイロンをかけていきます。それから真ん中から半分におり、さらにアイロンをかけて、縫製の準備が完了です。


下の写真は、ジョガーパンツの足の裾口の部分です。ジョガーパンツの裾口も、真ん中に金属の板をおいて、上下の部分をアイロンをかけ、そして、さらに真ん中から半分におって、さらにアイロンをかけます。なんと、アイロンのかけ方は、エプロンの肩ひもとジョガーパンツの足の部分の裾口は同じでなんですね☆☆


 海外縫製工場は、比較的な小規模な縫製工場であるCBC Laoであっても、1型あたりの枚数が1,000枚、あるいは1,500枚くらいになることもあります。その枚数を正確に綺麗にアイロンをおかけるためには、上で紹介したような板を作って利用するのがとても便利です。
2017.02.13 09:55 | 固定リンク | 縫製のこと
洗い加工の現場、洗い屋さんってどんなところ?
2017.01.19
 縫製工場っていうとなんとなくミシンがたくさん並んでいてってイメージがしやすいかもしれませんが、洗い屋さんってどんなところかイメージがつきにくいですよね。でも、洗い加工は、服作りにとってなくてはならない加工です。ということで、洗い屋さんは、服作りにおける重要な黒子のような存在です。

 先日、洗い屋さんに行く機会があって、写真をとってきたので紹介します。工場名はInter Washさんといい、ベトナム系の工場です。ラオスの縫製関連企業は、タイ系、ベトナム系、日系など外資系が多く、まだまだラオス資本の企業はでてきていません。

 さて、下の全体風景を見るとこの洗い屋の工場内は、殺風景にみえるかもしれませんが、欧米系の某ブランドの商品も加工しており、しっかりした基準に基づいて運営されています。

 まず、案内図。洗い屋さんはこんなレイアウトになっています。英語でかかれているのは、欧米からのお客さんにも分かるようにです。入り口には、「◯◯社××さん歓迎」(◯◯には欧米の某ブランド名)の横断幕があります。
 乾燥機(Drying Macine)が一番奥にあり、その少し手前に洗濯機(Wahing Macine)が並んでいます。その周囲に、スプレー加工の場所(Spray Area)や、クリンクル加工と呼ばれるシワ加工をする場所(3D Crinkle Area)、サンドブラスト加工をする場所(Handsand Are)などが並んでいます。洗い屋さんといっても、ただたんに洗いをするだけなく、それに付随するシワ加工やスプレー加工がすることがこの工場レイアウトを見るとわかります。


 全体風景を撮ってみるとこんな感じになります。大きな倉庫のような建物の奥に、洗濯機や乾燥機などがならんでいます。


 これが、洗濯機。一度に何十枚も一緒に洗うことができます。ここにいろいろ種類の洗剤を混ぜて洗います。洗剤の種類や量、洗い時間の調整は、洗い屋さんの腕の見せどころです。


 次に乾燥機。


 これはエクストラクター。遠心分離型の脱水機です。


 上のような機械を使って、洗い加工が施されます。

 専門的なことは難しくて分かりませんが、次のような加工ができることが看板に書いていました。



(Wet Process)
-Garment Wash/One Wash(一度洗剤または水のみで洗う。)
-Enzyme Wash(酵素の力で生地を柔らかく仕上げたり、あたりを出す。)
-Enzyme Stone Wash(酵素の力で生地を柔らかく仕上げ、さらに軽石等を使うことで強いあたりを出す。)
-Ball Wash(軽石等と一緒に洗うことで、あたりをだす。)
-Fashion Denim Wash(色落ちさせずに洗う。)
 
(Dry Process)
-3D Crinkle Effect(シワ加工)
-Grinding/Damaging(ダメージ加工)
-Tagging(ペンキスプレー加工)
-Pigment Spray(顔料スプレー加工)
-Whisker(ヒゲ加工)
-Hand Sand(サンドブラスト加工)

(Dyeing)
-Direct Garment Dyeing(顔料で染める。)
-Pigment Dyeing (顔料で染める。)
-Dry Dye (Cold Pigment Dyeing)(顔料で染める。) 
-Neon Dyeing(蛍光色の加工)
-Dischargeable Dyeing(抜染、一部分の生地の地色を抜く。)

 いつもお願いする洗い加工は上記の一覧のうちのほんの一部です。今後は、提案できる縫製工場を目指し、いろいろな洗い加工を施した商品を提案していけたらいいなあなんて考えています。

 
  
2017.01.19 10:00 | 固定リンク | 縫製のこと

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