海外ラオスにある小ロットを得意とする縫製工場

CREATIVE BUSINESS CORP., (LAO) LTD.





ビーズを使った商品も縫製します!!
2017.08.03
 ここ2週間、QCの5人の職員はビーズを縫い付けるのに大忙しです。オーダー数はけっして多くはありません。しかし、一人あたり1日にできる枚数は何と2枚か3枚だけなので、何日もかかります。

 その甲斐もあってか、ビーズを縫い付けた商品はかなりかっこよかったです。お見せできることはできませんが、物凄く手間がかかった分よいものができあがっています。この商品を企画したアパレル会社の方、デザイナーの方、この商品を買う方にもきっと喜んでいただけると思います!!

 このビーズを使った商品の縫製を通して改めて感じたことは、ラオス人は手先がとても器用だということです。職員の中には、小さい頃から刺繍をしていた職員もいます。ラオスの伝統的な巻きスカートを織ることのできる職員もいます。特に、モン族の職員は、伝統的な民族衣装を自分で作ったりしているので、びっくりすくらい器用です!! ラオス人職員たちは、日本人にはない社会的・文化的なバックグラウンドを持っています。

※下の写真がモン族の民族衣装です。下の写真は、CBC Laoの職員ではありませんが、モン族の職員は全員が下の写真のような民族衣装を自分で作ることできます。モン族の職員によると、モン族なら必ずできなくてはならない技能ということです。とても器用ですね☆




※また、ラオ族のQCの職員の中には、ラオスの伝統的な巻きスカートの下に縫いつける下のような布を刺繍で作ることができる職員もいます。手先の器用さと根気強さが要求されます。 


 ところで、今回使ったビースは、プラスチックではなく、本当の石を使ったビーズです。タイ工場の職員が手配してくれました。ラオスでビーズを入手することは難しいですが、弊社タイ工場により簡単に手配することができます。いろいろな色、大きさ、様々な材質のビースがタイでは手に入ります。

 ビーズを使った製品のように、手間がかかかる、根気のいる作業を必要とする製品の縫製も得意としています。また、いろいろなものを使って、新しいことに挑戦していきたいと考えています。手間がかかりそうだけど、こんな商品を縫製してみたいという方がいらっしゃいましたら、是非、お声掛けください。
2017.08.03 09:55 | 固定リンク | 縫製のこと
ポケットの位置はバッチリ、ピッタシです☆
2017.06.15
 縫製工場というと縫製、つまり縫うことがメインなのですが、その前段階にポケットなど、いろいろなものを縫い付けるポジションをしっかり定めることが必要です。アメカジの商品を縫製することが多いCBC Laoなので、カジュアルのパンツの後ポケットの定番であるスリットポケット(箱ポケット)とパッチドポケット(貼り付け式のポケット)のポジションを、縫製前にどのように定めているか、紹介します。

 縫製工場では、すべてのパンツのポケットが同じ位置にしっかり縫製されるように、縫製位置を書き込むための型紙を厚紙で作り、その型紙を使い、縫製位置を書き込んでいきます。

 まずは、パッチドポケット(貼り付け式のポケット)からです。各サイズごとに、下の型紙を作り、パンツの後身となるパーツにポケットの位置を1枚1枚書き込んでいきます。



大きくるとこんな感じです。


 パッチドポケット(貼り付け式のポケット)はこんな感じで、位置を決めるのも、表にポケット位置を書き込みだけなので、そんなに大変ではありません。

 これに対して、スリットポケット(箱ポケット)は少し大変です。まずは、表には、切込みのラインを書き込みます。


 書き込んだ後はこんな感じです。裏側の芯地の位置を決めた後に、このラインを切っていきます。


 ちょうど切り込み線の裏側には、芯を貼っていきます。芯を貼るときもしたの型紙を作って、正しい位置に貼り付けていきます。


 貼った後はこんな感じです。


 スリットポケット(箱ポケット)はまだまだ書き込むものがあります。


 書き込んだものはポケットの裏の布(向こう布)とポケットの袋布の位置です。


 こんな感じで、スリットポケット(箱ポケット)は、パッチドポケット(貼り付け式のポケット)に比べて少し手間がかかります。

 その他にも、こんな感じで、コインポケットの位置なども定めていっていっています。


 書き込んだ後は、こんな感じです。


 縫製工場では、同じ製品を大量(多くとも2000枚ですが)に作るためにいろいろな工夫をしています!! 
2017.06.15 10:00 | 固定リンク | 縫製のこと
ブリーチ(洗い加工)っていっても濃さはいろいろです。
2017.05.15
 いろいろな種類のある洗い加工の中でも、ブリーチ加工は、デニムの商品を作る時にもっともよく使われる加工の一つです。ブリーチ加工は、その名前の通り、生地の色を落とす加工なのですが、その色をどれだけ落とすかによって雰囲気が大きく変わります。なので、アパレル会社さんから、サンプルを作る時に、ブリーチ加工をしてくださいと頼まれたときには、一緒にどれくらいの濃さが良いのかがわかる色サンプルが一緒に送られてきたり、それがない場合にはサンプルの縫製前にブリーチ加工をした色サンプルをアパレル会社に送ったりしてお互いで色の確認をしっかりします。

(参考)洗い加工で質感が大きく変わります。
http://cbclao.readymade.jp/cafe/html/art/00014.html

(参考)洗い加工の現場、洗い屋さんってどんなところ
http://cbclao.readymade.jp/cafe/html/art/00034.html

 実際にどれくらい色が違うのかというと、下のヒッコリーの写真を見てください。



 左が、もともとブリーチする前のヒッコリーの生地です。そして、真ん中が弱めのブリーチ加工をしたもの、右が強めのブリーチ加工をしたものです。このようにブリーチ加工と一言でいっても、かなり色合いに違いがあるので、私達が、洗い屋さんにブリーチ加工を頼むときも、これくらいの色でという写真や過去のサンプルなどを一緒に渡さなければなりません。ただ口頭で、弱めのブリーチ加工で、強めのブリーチ加工といっても、なかなかお互いの思っている色を一致させることは難しいです。

 ちなみにブラックデニムを染めると、グレーっぽい色になります。なかなか使うのにはセンスが必要な難しい色です。少し分かりにくいですが左側が洗い加工前の色(ワンウォッシュしています)で、右が洗い加工後の色です。


 また、このブリーチ加工と一緒に、行われることが多いのが、オーバーダイ加工です。ブリーチ加工した商品に、さらに染めていくことで、ヴィンテージ感がでてきます。下の写真では、左がブリーチ加工をした上でオーバーダイ加工をしたもの、右がブリーチ加工だけのものです。左の生地が、少し茶色っぽくなっているのが分かります。

 

 上の写真はかなりしっかり染めていますが、下の写真のようにほんの少しの色を染めることもできます。ブリーチ加工をしたの後にオーバーダイ加工をしたもの、右がブリーチ加工だけのものです。


 デニムはカジュアルでもっともよく使われる素材の1つですが、こんな風に洗い加工1つで大きく雰囲気が変わるのが面白い素材です。
2017.05.15 09:55 | 固定リンク | 縫製のこと
生地はロットとロールによって、色が微妙に違うので注意が必要です。
2017.04.27
 ツイルやデニムなどの生地を使って、縫製するときには、すべてのパーツに番号を振ります。例えば、シャツであれば前身頃が、後身頃、ヨーク、前たて、台襟と衿、袖と袖口、ポケットなどのパーツからなっています。そして、延反(生地をしたの写真のように重ねていくこと)したときに、同じ段のパーツ同士で縫製されるように各パーツに番号をふっていきます。縫製するときには、同じ番号のパーツ同士を、縫い合わせて行きます。

※延反の様子


※各パーツに数字を書いている様子


 なぜ、そんなことをするのかというと、ロットやロールによって、微妙に色が違ってくるからです。各パーツに番号を書かずに、適当に各パーツを組み合わせて縫製していくと、シャツの右側と左側で色が微妙に違うシャツなどがでてきてしまいます。(しかも、この色の違いが、洗い加工の前は同じ色だったのに、洗い加工後に表れることがあります。)

※ロット:生地を作る時タイミングが一緒の生地のことです。例えば、1,500mの生地を作って、100mのロールを15本作った場合には、この15本は同一ロットを呼びます。

※ロール:生地は、50mだとか、100mだとかが、ロール状になって、縫製工場に入っていきます。

 アパレル会社さんからオーダーに基づいて、生地会社に特注で作る生地は、生地を作る前に、色見本を作って、それをアパレル会社で確認して、それから生地を作る作業に入っていくので、ロットが違ってもほぼ同じ色に仕上がってきます。正確には、そのときの気温や湿度、糸の状態などによって出来上がってくる生地の色がほんの少し違ってくるので、ロット違いの生地を並べて、よ〜くよ〜く見比べてれば色の違いが分かったります。しかし、その違いは小さなものであることがほとんどです。なので、異なるロットの生地を使っても、ロット違い問題は起こることはほとんどありません。

 それに対して、市販の生地はときどきロット違いの問題が起こります。同じ名前の同じ番号の生地であっても(例えば、KPM8000という生地の12番など)、買うタイミングによってロット違いが生じ、色が違うことあります。パット見には同じ色なのですが、異なるロールの生地を並べてみると色の違いが分かったります。同じ名前の同じ番号の生地の残反があり、足りない分だけオーダーして新たに商品を作ろうとした時に、古い生地(とっても数ヶ月前)と新しく入荷した生地で色が違っていることがたまにあります。SとMで、色の濃さが違うなんてことは許されないので、そんなときは足りない分の生地を新たに買わなければなりません。市販の生地のロット違いによる色の違いは、アパレル会社さんのオーダーに基づいてオーダーをかける生地のロット違いの色の差と比べて、色の違い大きいです。

 また、ツイルだと、同一のロットであれば、すべてのロールの色が一緒ですが、デニムだと同一ロットでもロールによって色が違うことがあります。もっと言えば、デニムの場合、同一ロールでも、ロールの最初と最後で色が違うことがあります。しかも、その色の違いが洗い加工を施した後にしか分からなかったります。なので、デニムを使った商品を縫製する場合には、裁断後に各パーツに番号を振るときには、特に細心の注意を払って、延反したときに同じ段の生地で縫製するようにしなければなりません!!

 
2017.04.27 09:55 | 固定リンク | 縫製のこと
縫製工場のとっておきの道具・・・ 喰い切り。
2017.03.27
 先週まで展示会用のサンプルの縫製で大忙しでした。まだまだ日本は春先ですが、サンプルはも秋冬もののサンプルです。

 そして、サンプルの縫製で活躍するのが、この道具!!



 これは何かというと、ジッパーの務歯(むし)を外す専用喰い切りです。

 商品を量産するときには、必要な本数をYKKさんにオーダーするのでこのようなしません。しかし、サンプルを縫製するときには、どうしても必要な長さのジッパーがないことがよくあります。しかも、必要なジッパーの本数は各色1本ずつ計5本ずつで、ジッパーを必要とするサンプルの品番がいくつかあるという状況もあります。そんなときに、それぞれのジッパーを1本ずつYKKさんに注文するわけにもいかないので、上の喰い切りを使って、務歯(むし)を外してきジッパーを必要な長さに調整していきます。

 使い方はというと、ただたんに、ジッパーの務歯(ムシ)を引っ張ってとっていくだけです。簡単そうに見えますが、上の特製喰い切りを使わなければ、うまくとれません。ポイントはというと、握ったときに、しっかり刃先がとじずに、少し開いてるということです。握った時に刃先がとじる普通の喰い切りを使うと務歯(ムシ)を外す時に、ジッパーテープが引き裂かれてしまいます。しかし、握ったときに、少し開いているものを使うと ジッパーテープの破れのを防ぐことができます。



 必要のない務歯(ムシ)を外した後は、一番上の部分にある上止めを外して、務歯(ムシ)の一番上の部分に付け直します。このとき、しっかり、取り付け直すことが大切です。一度、スライダーの部分が、務歯(ムシ)から外れてしまうと、再び務歯(ムシ)の戻すことはできず、そのジッパーは二度と使うことができなくなってしまいます。

※ジッパーの務歯を外している様子


 いろいろジッパーの名称を使いましたが、ジッパーの各部の名称は次のように言います。少しマニアックですね☆



・上止め:スライダーを務歯(むし)の一番上の部分で止めます。これがないと、スライダーは外れてしまいます。そして、外れると二度と務歯(むし)におさめることができなくなるので、とても大事な部分です。

・スライダー:本体の部分になります。務歯(むし)をうまく噛み合わせていきます。

・引き手:ジッパーを引っ張る部分。いろいろな形があります。

・務歯(むし):スライダーが動くレールような部分です。細いものから太いものまで、プラスチック製のものから金属製のものまで、金色のものもあれば銀色のものと、とにかくいろいろな種類があります。

・ジッパーテープ:務歯(むし)が取り付けられている部分で、YKKさんだと何百色から選ぶことができます。

・下止め:ジッパーの一番下の部分です。写真のジッパーは右と左に分かれませんが、ジャンパーのジッパーなど左右に分かれるジッパーはまた違う形をとっています。

 ジッパーは、資材屋さんにいけば売っているというものでないので、YKKさんにオーダーしなければ手に入りません。そして、オーダーすると最低10日〜14日くらいかかります。本数の問題、オーダーしてから手に入れるまで少し時間がかかるので、サンプル縫製時に必要な長さのジッパーがなかった場合には上のような喰い切りを使ってサンプルを縫製することが多いです。
 
2017.03.27 09:55 | 固定リンク | 縫製のこと

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